6年生 歴史教室(縄文、弥生時代)動画掲載

7月9日(木)6年生の歴史教室が図工室で開かれました。講師は川口市教育委員会文化財課の井出先生

高木先生のお二人です。学校行事ができないなか、6年生は歴史教室を楽しみにしていました。

 

 

楽しみにしていた歴史教室が始まりました。

図工室の机を周りに並べて、上にはたくさんの土器や

昔の人が使った道具などが展示してあります。

6年生は歴史の授業が始まりました。歴史のはじまりから

縄文、弥生時代の学習をしています。

井出先生が手にもっているのは等尺年表です。長い歴史の中で、黄色いところが縄文時代です。

平成、令和の32年間は、この等尺年表の先っちょの赤いところです。子どもたちからは、

「たったそれだけ!」

「じゃあ、縄文時代がほとんどだね」

この長い、縄文時代から考えていきましょう。川口市の遺跡分布図です。川口にはたくさんの遺跡があります。赤いところが安行小学校です。

机の上には古い順に1番から15番までの土器が置いてあります。さて、縄文時代の土器は何番まででしょう。弥生時代は何番からでしょう?

これが1番古い土器。形ではそこがとんがっています。

このまま置けば…土地は倒れてしまいますね!…

最後15番。もちろんこれは弥生式土器ということになります。形がずいぶんと違いますね。

薄く、底は平らで置けるようになっています。

展示してある土器はどれも本物の土器です。発掘の時に割れていた破片を組み立てたものです。一部、形を再現するためにつけ加えたところがありますが、どれも本物です。井出先生からは

「直接、土器を手にもってみてください。手ざわりを感じてください。どれも本物です。縄文の人たちが使っていた土器の様子を想像してみてください」

と声をかけられ、子どもたちは土器を手にとり、考え始めました。

土器を手にしながら、どこまでが縄文式土器で、どこから弥生式土器なのか考えてみました。

みんな、大切な文化財の土器をこわごわ手にして調べていました。そして、何番から弥生時代

なのか… 答えあわせです。

井出先生が6番の土器を、持ち上げて見せてくれました。

この土器は「安行式土器」と呼ばれています。

縄文式土器にはいろいろ形があります。その形や模様の特徴から土器には〇〇式土器と名前がついています。この様式の土器は安行で初めて見つかったものです。井出先生の説明を聞いた子どもたちから、

「安行すごいね!」と声があがり、拍手が起きました。

次に、土器を何につかったのか考えていきました。

この縄文式土器は下がとんがっています。このまま置いたら倒れてしまいます。どうして、こんな形にしたんだろう。よく見ると、一番下は火でこげたあとはありません。少し上がこげています。子どもから手があがりました。

「地面にさして、火であたためたからじゃないかな…」

そうなんです。こうした縄の模様のついた土器を使った時代を縄文式土器といいます。

当時は狩猟社会で、人々は食べ物をめぐって、移動しながら生活していました。火を使うときには、この写真のように地面に土器をさして、火をたいたのではないかと考えられます。

 

東京の弥生町で見つかったことで名前がついた弥生式土器はどうなんでしょう。これは下が平らで、普通に置くことができます。 弥生時代になると稲作が始まり、人々は定住します。住むところの地面はならし平らにして住みやすくしたことでしょう。平らにした地面があり、そこに土器を置く生活が始まったのでしょう。
縄文時代の遺跡からは、こんな物も見つかりました。これです。今でいうポーチみたいなものですね。

この中に、何が入っていたと思いますか?遺跡からは中に入っていた物も見つかりました。クルミの実です。

みんな興味津々で聞いています。

こんな物も竹を編んで作ったことでしょうね。

縄文の人たちは

「すごい!」
「かしこいなあ…」

土器から、いろいろなことがわかります。

これが当時、縄文の人たちが食べていた食べ物です。

イルカも食べていました。

たくさんの貝が出てきた、貝塚。縄文の人は貝を食べていた…

そして、ほらイルカも食べていました!

でも、おかしいですよね。川口には貝もイルカもいるはずがない。海がないんだから。おかしくないですか?

川口の遺跡を地図で見てみると…

遺跡は川口の北、台地に集まっています。

低地には遺跡は出ていません。
縄文時代の前期には、台地のへりまで海の水がきていました。 これが当時の地図になります。青いのは海です。ですから安行の東はすぐ海がきていました。だから、貝をとり、イルカを採って暮らしていたんですね。
これは遺跡から見つかったトチの実

赤山陣屋遺跡にはトチの実の加工所があることがわかりました。トチの実を採ってくる人、割る人、あくを取る人、トチの実を食べることができるようにする、大きな加工所の跡が見つかっています。

 

遺跡から発掘して出てきた物から、いろんなことがこうやってわかります。この人形を知っていますか?

これは土偶という人形です。縄文の人は、どんな願いをこめて、この人形を作ったのでしょうね。

この人形はなんと…安行東中学校の生徒さんがクリーン大作戦でひろって見つけたものだったですね。大発見でした。

みんなの身近に、遺跡はありましたね。安行小学校の学童校舎を作るときに工事でも遺跡が見つかりました。

遺跡から出る物から、いろいろなことがわかります。当時の人々の暮らし、願いまでわかります。

みなさんの歴史の学習が始まりました。今日は安行の遺跡から出た土器を中心に、縄文時代、弥生時代について考えてみました。しっかりとお話を聞いてくれてありがとうございました。これから歴史学習が楽しみですね。

文化財課では、夏休みキャンペーンということで、夏休みの来館者には「まが玉セット」をさしあげます。また夏休みのスタディ・サポートも行っています。調べたいことがあったら、いつでも電話でたずねてください。

こうして歴史教室が終わりました。終わった後も、井出先生、高木先生に子ども達は質問ぜめでした。これからの歴史学習への興味、関心も高まったことでしょう。

井出先生、高木先生、歴史教室ありがとうございました。

 

井出先生にはエコクラブでon-line歴史教室の講師もお願いしました。

On-line歴史教室 安行編 5月31日(日)

4年生のon-line社会科見学では水度局見学の授業もしていただきました。(後日、掲載)

こちらは文化財のサイトです。ぜひ、ご覧ください。

川口市文化財センター