3月5日(土) ヒキガエル救出大作戦(エコクラブ)

ここは安行小学校南側にある「安行原自然の森」です。子ども達も

地元の方も「平岡山」とよんでいます。もとは平岡さんという方の

私有地でしたが川口市に寄付されて公園になっています。公園と

いっても昔の安行の自然がそのまま残っている貴重な公園です。

平岡山は台地林、斜面林、低地の草原、わき水の水路があります。

これだけの自然が多層的に残っているところは少ないです。植物相

が豊かですから、生き物もたくさんいます。わき水の水路にはオニ

ヤンマのヤゴもいます。タヌキもいます。森の生態系の頂点に位置

づく猛禽類のふくろも棲んでいます。

わき水の水路の横にはカキツバタの池があります。

今日のエコクラブの活動はこの池で行いました。

この池には毎年、ヒキガエルが産卵をします。多い年は100匹

以上のヒキガエルが林から下りてきて産卵を始めます。東京近郊で

これだけのヒキガエルが産卵する場所はとても珍しく、貴重です。

この池の水がひあがってきているので、産卵が心配です。そこで、

エコクラブの子ども達と池の水がたまるようにヒキガエル救出大

作線=池ほり大作線を行おうというわけです。

午前9時30分、安行小こどもエコクラブの子ども達が校庭クスノキ

前に集合です。長靴に手袋、服装も汚れてもいい?かっこうで集合し

ました。

ヤギさんにエサをあげて、活動開始!

 

リヤカーにスコップ、バケツなど池を掘る道具をつめこんで出発!

平岡山に到着です。はじめに講師、環境アドバイザーの横山さんが

絵本を紹介してくれました。

ヒキカエルの絵本です。

この絵本の世界は、そのままここ平岡山とそっくりです。

横山さんの奥さんに読み聞かせをしていただきました。

ヒキガエルが産卵をして、春にはたくさんのオタマジャクシが育ち

ます。この池でも、絵本のようにたくさんのオタマジャクシに無事、

育ってほしいです。

池の周りを歩いて作戦を考えました。

この池の水がひあがっているのは…なぜだろう?

水路には細いとはいえわき水が流れています。

このわき水の川底が池よりも低くなっていて、水が池にはいって

こなくなっていたのです。池にはたくさんの植物が堆積して池の底

がうず高くなっていたのです。

そこで、わき水の水路から水が流れるように土をスコップでほり

ます。

池の土をスコップで掘って、池に水が流れてくるようにします。

掘った土は上にバケツで運んで出しました。

もう、みんな泥んこです。長靴が泥にはまりながらも、懸命に土を

掘り出しました。

だいぶ土を掘り出して水がたまってきました。すると…なにやら

動いています。

いました!ヒキガエルです!大きいです。メスです。

冬眠していたのか、もう産卵の準備で林から出てきたのでしょうか。

まるで、今日の池ほりのお礼に子ども達に会いに来てくれたかのよ

うでした。

今日は、川口市の自然保護対策室のスタッフの皆さんもかけつけて

くれました。

自然保護対策室では今年度、自然調査を行っています。この平岡山

も調査を行いました。調査からも豊かな自然が残っていることが

はっきりわかったそうです。

さあ、いよいよ水路から水をひきます。最後の土を掘り出して、

わき水の水路の水が池に流します。

水が流れ出しました!

水が無事流れた後、またもう1匹ヒキガエルを見つけました。

今度はさっきより少しちいさめ…オスです!

右がメス、左がオスです。オスはめすをしっかり抱え込むために

腕が太くがっしりしています。色も、この時期は黄土色になって

います。

埼玉新聞の岸記者さんも取材に来てくれました。たくさんの子ども

達がインタビューを受けました。今日、体験したことをしっかりと

自分の言葉で話してくれました。

最後にヒキガエルを池に放してあげました。

ヒキガエルの産卵はもうすぐです。林から出てきて、たくさんのヒキガエルが無事産卵がで

きるといいですね!

活動の最後に川口市自然保護対策室のスタッフの方からおみやげ

をいただきました。素敵なデザインのティシュでした!