3月18日(火)の1時間目、春川校長先生の特別授業が体育館で行われました。卒業を目前にした校長
先生からの授業のプレゼントです。5年生も授業を聞きたいということで参加しました。
授業のテーマは「中村哲さん生き方にふれる」です。中村哲さんはパキスタンとアフガニスタンの人道
復興支援を生涯をかけて行った方です。
授業には春川校長先生の服装がいつもと違います。アフガニスタンの民族衣装を着て紹介してくれました。
6年生の先生、小川先生、図書館司書の松澤先生も衣装をまとっています。
はじめに中村哲さんの年表とその活動が紹介されました。校長先生のお話の後に中村哲さんの映画のDVD
の1章と2章を見ました。
山登りが好きな中村哲さんは、はじめは登山隊のつきそいの医師として登山隊に参加しました。昆虫に教委が
あり自然が大好きな方でした。しかしパキスタンに到着して見たものは、貧しくて医療が受けられない多くの
農民たちでした。お医者さんである中村さんはやむにやまれず現地で医療活動にたずさわりました。
若き日の中村さんです。帰国してから、中村さんは現地に診療所を開くことを決心します。医療が
受けられない貧しい人たちに医療を届けます。
日本の支援者の寄付で診療所が各地に作られていきました。11カ所もの診療所が立てられました。
栄養失調が多い現地では、ハンセン病がひろがっていました。中村さんは治療や薬だけでなく、病気
で歩きづらくなった人たちが歩けるようにサンダル工場まで現地に作りました。目の前の困った人た
ちに必要なことを用意していきます。「医者」という枠を超えて、人々が求めていること必要なことを
実現させていきました。
診療所を開いてから10年目、アフガニスタンに大干ばつが起きました。飲み水はもちろん
農業に必要な水も干上がってしまいました。そこで中村さんは井戸を掘りました。井戸を
掘って飲み水を確保しても、畑に水が届きません。そこでとうとう中村さんは用水路を村人
と協力して掘ることを決意しました。
アフガニスタンではずっと内戦が続いていました。家族を養うためにお金をかせぐために
兵隊になった人たくさんいます。用水路ができて農業ができれば、村人は故郷で安心して
暮らすことができます。
土漠になってしまった農地を次々とよみがえられ、死の谷と呼ばれた沙漠を緑に変えていきました。
農村を復興する「緑の大地計画」を実現させました。中村さんのか活動は現地の人やもちろん日本中
の人々を感動させました。
ペシャワール会報100号から
子供たちには感想を書いてもらい発表をし感想を交流しました。
・アフガニスタンの人が1日200円ちょっとのお金で1家族が暮らしていくということに驚きました。
・外国の遠い国のこととも言えるのに、登山隊のつきそいて来た中村さんが、現地を見て医療活動をする、
診療所を作るということにすごい人だなと思いました。
・水が足りないから用水路があればとまでは思うけれど、実際に何十kmもある用水路を作るなんてすごい
人だと思いました。
子供たちの感想を聞いた後、校長先生が子供たちに次のように問いかけました。
「みなさんは中村先生のように生きられますか… 」
この問いには子どもたちはさすがに考えこんでしまいました。
「はいかいいえで答えてみてください」
中村さんの生き方は素晴らしいと思いながらも「無理だなあ…」というつぶやきが聞こえてきました。
「いいえ」にたくさんの手が上がりました。
そこで、校長先生が中村哲さんがふだん大事にしていた言葉を紹介してくれました。
「一隅を照らす」という言葉です。
中村哲さんのようなすごい事はできないかも知れません。しかし、自分の今いる場所で光となり周りを照らす
ことはできます。それぞれのおかれた場所で、他者や周りのためにできることをやる、助け合うことはできる
でしょう。
今日の特別授業のためにわざわざ中村哲さんの映画を作った谷津映画監督が校長先生が特別祷長をすると
聞き、校長先生に安行小の子供たちへのメッセージを送ってくれました。
授業の最後、校長先生が紹介してくれました。
さらに図書館司書の松澤さんから図書館にある中村哲さんの本を紹介していただきました。