安行小4年生総合 「安行原の蛇造り」(1)謎から課題づくり

安行小学校の4年生は1学期の総合的な学習の時間では「安行原の蛇造り」について

学習をしています。「蛇造りにこめられた地域の人々の願いを探ろう」というテーマ

で学習を進めています。

  「安行原の蛇造り」は、植木の街、安行の豊作祈願と悪病退散を祈願して行われる

行事です。民俗行事として市の無形民俗文化財にも指定されています。毎年5月24日

に行われる「蛇造り」は、江戸時代から続くといわれ、長い歴史をもつ行事です。

児童にとっては、身近な行事であり、例年なら学区内で行われるため実際に全員で見学

に行って見学をしています。

 しかし、コロナ禍、昨年は「蛇造り」そのものが中止となりました。学校も休校にな

り、総合の「蛇造り」の学習教材はやむを得ず見送ることとなりました。

 今年は「蛇造り」は実施されます。とはいってもコロナ感染が心配ですので、一般

公開は行わないそうです。例年行っている子ども達の見学、インタビューはできませ

んが、On-lineなど工夫をすれば間接的ですが見学、インタビューはできます。

安行小学校の4年生としては、On-lineなど工夫することによって総合の授業として

「安行原の蛇造り」の授業に取り組みます。安行小学校には今年1月からタブレッ

トパソコンが児童1人1台配布となりました。学校にWi-Fiの設置されました。

この総合の授業のなかでICTの可能性もさぐっていきます。

 子ども達が地域の伝統行事を学ぶということが、地域で伝統行事を支えている

皆さんへの応援、励まし、エールになるのではないでしょうか。

 授業を進めるにあたっては、郷土資料館の井出先生にもご協力を快諾してもらっ

ています。ホームページを見ている皆さんも地域の伝統行事「安行原の蛇造り」に

ついて、子ども達と一緒に探求の旅をしていきませんか。

 

総合1時間目   「蛇造り」って何だろう!?

子ども達が知っていることを出しあってカードに書いてもらい、似ている

カードはまとめて、つながりを考えてマジックで書き入れて相関図を作っ

ていきました。

授業のはじめ2枚の写真を黒板に貼りました。

写真を貼りながら、子どもたちに

「蛇造りって聞いたことありますか?」と尋ねると、すぐにたくさんの手が

あがります。

みんなの知っていることを出し合ってみよう

「蛇…がかざってある!」

「それは学校に飾ってあるやつだ」

そう、これは本物の2分の1の模型です。

で、なんで蛇がかざってあるのかな。

「高いところで、ぼくたちを見守ってるの?」

「悪いものをおいはらってる」

「まけよ?」

じゃあ蛇はいい蛇なの?

「蛇は悪者で、昔、やっつけた!…とか」

蛇は悪者?

「だったら、なんでかざるの??」

ああ…じゃあやっぱりいい蛇かな?

「5月に蛇造りはやるよ」

「5月24日…だったかな」

その5月24日に昔、何があったんだろうね!?大事件があったのかな?

この写真、口の中のお札の写真です。読める字ありますか?

「左に密蔵院って書いてある!」

ほんとだ!はんこも捺してあるね。密蔵院と蛇造りって…何か関係が

あるのか!?誰かインタビューに行きますか?

「僕行けるよ」

じゃあ、コロナで密はだめだから1人で行ってくる?4年生代表の

新聞記者、特派員だな。インタビューしたら新聞を出そうか。

ところで、蛇作りに参加したことある人?

「はーい」

「お菓子もらった!?」

「いいなあ!!」

お菓子もらえるんだね。でも、そのお菓子買ったの?

「ただでもらったよ!」

「ジュースも!」

そのお菓子やジュースのお金は誰が出してるんだろう?

「… うーん」

だいたい何で子ども達にお菓子を配るのかな?お祭りなのかな?

誰がお金出してるんだろう?…お菓子といえば近くに駄菓子屋さ

んがあるね。

「押田商店!」

行ったことある人。

「はーい」

おお…いっぱいいるなあ。

押田商店のおばあちゃんにインタビューしたら何かわかるかな?

誰か、新聞記者になってインタビューしてきてくれませんか?

 

こんなやりとりをしながら黄色いカードに子ども達の知っている

ことを書いてもらい模造紙にまとめていきました。

同じものをまとめながら、つながりをさがしながら表にまとめます。

子ども達が知っていることを出し合って、つなげるだけでいろいろな

ことがわかりました。疑問もたくさん出てきました。

ここまでで1時間。

次の2時間目はオレンジの紙に調べてみたいことを書きました。

1人1つずつ1枚に書いて、同じようにまとめていきました。

疑問から課題づくりです。書いたカードを発表しあいました。同じ

内容を書いている人は、一緒に立って発表しました。

同じ内容のカードはまとめて、つながりを

考えながらつなげていき相関図を作りました。

・どうして5月24日に蛇造りが行われるのか?

・昔、ここで(蛇造り場)で何があったのか?

・蛇に刀が飾ってる。侍の時代に蛇造りは始まったのか?

・刀はどういう意味か。

・蛇は男?女?

・蛇はヘビ?龍?どうして鼻の穴が3つあるんだろう?

・何のために大きな口を作っているんだろう?悪いものを

 飲み込んでしまうということ?

・どうしてわらで蛇を作るのか?昔はたくさんわらがとれた?

 昔の安行村では田んぼがたくさんあったのかな?

 次々と子ども達から課題が生まれてきました。授業が終わった後

も模造紙を見ながら話し合う姿が見られました。

「安行原の蛇造り」 子ども達の探求の旅が始まりました。