「竹竿を親子で作り、魚を釣って、さばいて、焼いて、食べよう!」エコクラブ特別イベント 12月20日

12月20日(日)安行小こどもエコクラブで

「竹竿を親子で作り、魚を釣って、さばいて、焼いて、食べよう!」という

特別イベントを行いました。今回の取り組みは川口市の郷土資料館、スタジオ・

サイタマスタッフさんとの協力で実現しました。

講師は埼玉県伝統工芸品 川口和竿 伝統工芸士の山野正幸さんです。

竿昭作サイトから

川口の和竿の伝統と技術の素晴らしさを子ども達に知ってもらうとと

もに釣り体験を通して、

数ヶ月前から、準備をして取り組んできました。

コロナ禍ということもあり、手作りの竿作りですから参加人数には制限

がかかりました。安行小こどもエコクラブだけでなく、市内の他のエコ

クラブ会員、また川口市の広報で郷土資料館の募集に応募した方々と

多彩な参加となりました。

12月20日(日)の前には事前学習ということで12月6日にオンラインで事前学習

ライブを行いました。インタビューは郷土資料館の井出先生です。

竹釣竿製作と釣り体験「つくって、つって、くらって」事前学習ライブ【川口和竿】

事前学習を終えて、いよいよ12月20日当日を迎えました。

 

会場は学童校舎をお借りしました。まずは郷土資料館の井出先生から

山野さんの紹介がありました。

昔は川口にはたくさんの竿作りのお店がありました。近年はカーボンなどの

新素材の竿が多くなり、お店も少なくなりました。しかし伝統工芸の和竿

を今、見直されています。釣るときの微妙な手応えの良さなども評価され

世界的にも注目されています。

山野さんが小さな、小さな竿を見せてくれました。

何本もの小さな

竿をつないで短い竿を作ります。

 

次は、大きな大きな竿を見せてくれました。何本もつないで長い竿を

作りました。鮎のおとり釣りの竿です。

 

いよいよ竿作りの説明です。使う竹は「ほてい竹」という竹です。

竹は、山野さんが仕入れて、長い期間寝かして、焼き直しをして真っ直ぐに

しておいたものです。まず、紙やすりでさおの先を傷めないように一方

通行でみがきます。

みがいた後は、持ち手をつくります。持ち手は太い糸を巻いて作り

ますが、その前に新聞紙を巻いて土台をつくります。ボンドを使い

新聞紙を巻いていきました。

 

新聞紙を巻いて土台が出来たところで、太い糸を巻いていきます。背筋を伸ばし、

持ち手と糸を直角の位置に置いて巻いていきます。動画を見ると、するすると

簡単そうに巻いているように見えますが… 実際にやってみると…とても山野

さんのようにはいきません。

山野さんの説明を聞いて、いよいよ竿づくりが始まりました。

いよいよ糸を巻く作業に入りました。山野さんのようにはうまく

いきません。ほどいてやりなおす人もいました。

糸を巻いた後の、糸止めもなかなか難しいです。

 

糸巻きが終わったらウレタン塗料を塗ります。本来は、漆(うるし)

を使うそうです。漆塗りの工程はとても複雑な作業になります。

厚く塗りすぎないように、うっすらと均等にぬっていきました。

ここまでが午前中の作業となりました。

今回、竿作りで作ったのは竹を継いで作る「継ぎ竿」です。竹と竹を

継ぐので、竹にあけた穴の大きさの調整が必要です。今回の竿は、

山野さんが事前に調整をしておいてくれました。午後の最初、山野

さんのその技をデモンストレーションしてもらいました。

並べられた、竹の穴の大きさを調整する「きり」です。もちろん職人

さんに特注で作ってもらったものだそうです。今は、この「きり」を

作る職人さんもいなくなってしまったそうです。

きりを道具につけて、竹の穴の大きさを調整していきます。少しずつ「きり」の

大きさをあわせながら調整していきました。この調整が終えて、継ぎ竿のできあ

がりとなります。

そして…いよいよ手作りの竿を使ってのニジマス釣りの開始です。

安行小学校のプールには100匹のニジマスを前日に放流しておきました。

みんな自分で作った竿を手に、わくわくどきどきでした。しばらくは

誰も魚を釣り上げることもなく…静かな時間が過ぎました。すると…

一匹釣れました。プールには拍手がわき上がりました。

15cmはあるニジマスです。

1匹釣れると、他のメンバーも「ぼくも釣るぞ」とやる気まんまん。

釣り上げたときの拍手がプールに続いていきました。

釣り上げたニジマスは、その場でさばいて、焼いて食べました。

包丁をいれて内蔵をだして開きます。

子ども達の中には、さばくのを挑戦した子もいます。釣った魚を自分

で、さばいて、料理して、食べるのは初めての体験かも知れません、

「いただきます」というのは「命をいただきます」ということの

意味がよくわかりますね。

さばいたニジマスに塩をふります。

竹ぐしをさして…

 

焼いて食べます。

ニジマスを釣って、さばいて、食べました。新鮮なニジマスですから

味は格別ですね。

最後は山野さんと記念写真を撮りました。

自分で作った竿で釣った魚と一緒の記念写真です。

ねばってねばって釣り上げた魚を手に、満面の笑みですね。

最後に井出先生のお話を聞いて、活動を終えました。川口の伝統工芸

和竿の素晴らしさ、釣りの楽しさを実感できた、意義深い活動となり

ました。

山野さん、井出先生、スタジオサイタマのスタッフの皆様、ありが

とうございました。